平成23年12月2日
南海辰村建設㈱に「建築基準法」「金融商品取引法」違反の疑いがあるとして、2011年11月21日付けで弊社は、証券取引等監視委員会事務局 市場分析審査課 情報処理係へ調査を依頼した事をご報告いたします。
証券取引等監視委員会御中
株式会社大覚
調査の依頼
当社は現在、大阪2部上場企業 南海辰村建設株式会社(以下甲という)に対し、大阪地方裁判所にて、瑕疵建築に対する損害賠償等請求の訴訟(以下本件という)を提起いたしております。契約から今日に至るまでの間、甲の不誠実な姿勢は上場企業の守るべき社会的使命に反するものと思われ、かたがた「建築基準法」「金融商品取引法」違反・抵触の疑いも濃く、ここに甲の本件に係わる行為についてご調査を依頼するものであります。
まず、本件経緯を概略致しますと、当該物件は、所謂マンションで、引渡しに際し、余りに瑕疵個所が多いため、対応策を協議したく甲に対し会議の設置を申し入れましたところ、「工事請負契約書および図面に基づく施工で、瑕疵は無い。」と強弁しテ-ブルにも着かれませんでした。そこで当社は詳細調査を専門機関に依頼したところ、構造上耐震に係わる瑕疵があり、物件の安全性に懸念があるとの結論を得ました。(専門機関の調査結果につきましては、当社HP上に詳細ご報告致しております。)
この様な情報が甲の社内に行き渡れば当然交渉のテ-ブルに着かれると思い、静観していましたところ、甲は、平成22年1月7日、突然、「請負代金請求訴訟」を提起し、挙句、当社の貴重な商品である土地・建物に仮差押えを付してまいりました。商品不動産への仮差押は、私達に大きな痛手であることを充分認識したうえの行為で暴挙と言わざるを得ません。そこで、対抗上当社も平成23年2月15日「瑕疵建築に対する損害賠償等の請求」を提起した次第です。
次に法の違反・抵触問題ですが、HP掲出のとおり本件は建築会社の常識として考えられない明々白々な瑕疵工事で、①「建築基準法」違反の疑いが極めて強いことが先ず挙げられます。次に②「金融商品取引法」では、虚偽記載を禁じ、適時開示を義務付けていますが、甲の平成23年2月25日付IR情報「訴訟の提起に関するお知らせ」では、"手直し工事に誠意をもって対応した" "瑕疵は存在しない"等虚偽の記述を重ねています。
さらに、甲に対する当社の損害賠償請求額は総額3791百万円で請負請求残代金を加えると負担金額は5353百万円になります。これは平成23年7月28日付甲の決算短信の連結総資産4922百万円を超えており、甲の企業存続上看過できない請求額であるにも拘らず敢えて軽微に捉え、実情を開示しない姿勢は情報の適時開示の精神に反するものと言わざるを得ません。
勿論、係争中であり、IR情報の内容が一方的な論調になることは、理解いたしますが、裁判の進捗に連れ、明らかになりつつある事実を意識的に軽微に扱っている姿勢は、投資家に誤った判断を与える恐れがあると思料いたします。
当社は、当初、甲のIR情報を拝見し,内容に問題があると思いましたが、上場企業たる甲の事情を斟酌し、事を荒立てず、裁判の場で冷静に話し合えば、実情が正しく認識され、相応の対応をされるものと考え、特に反論致しませんでした。しかし、裁判が進捗し実態が明らかになっても、対応・姿勢に変化はなく、このまま行けば,甲および甲の親会社グル-プのパワ-に踏み滲まれる恐れがあると判断し、対抗措置を順次講じることとした次第です。
地場の小規模企業の企業基盤は脆弱です。昨今のネット攻勢、風評被害に対する抵抗力は弱く、営々と地場で築き上げた信用・ステ-タスを維持するためには考えられる全ての手段を使い、あらゆる機会に我々の立場を説明して行かねばなりません。小規模無名の企業ながら、当社は地域に根付いた地場企業と自負いたしております。地域のデベロッパ-として、住み良い街を造り続けて行く役割がございます。強者が弱者を力ずくで押しつぶす弱肉強食の論理に唯々諾々と従うわけには参りません。
裁判中の事案につき一方の当事者である当社が、貴委員会にこの様なご調査を依頼することは異例と存じますが、司法の場とは別に貴委員会で甲の不法行為をご調査頂き、然るべき措置を講じて下さる様お願い申し上げます。
以 上
追 記
[注1] 本年8月、横浜地裁は、本件と類似のマンション瑕疵工事に対し、施主・施工会社に建替え工事費全額負担を命じる判決を下しております。
[注2] 本件に関する資料は膨大でここに添付いたしませんでしたが、何時でもご提出の用意はございます。